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NEW! 東美アートフェアーと銀座での個展の模様
2011年10月に開かれた東京美術倶楽部主催・東美アートフェアーに、従来の大きな作品とは異なり、小品12点を制作・出品し、引き続き銀座のギャラリー長谷川で個展も開催しましたが、多くの皆様にご覧いただくことが出来ました。
制作過程を通じ、小さなサイズの中にも深く大きな世界があることをあらためて知りました。
再来年の大きな展覧会に向けて新しい境地が広がってきたように思います。今回の展覧会は日本画を中心としてこられたギャラリーで開きましたが、染料が生み出す発色の美しさと透明感がご高覧頂いた皆様に印象深く残ったようでした。
ギャラリー長谷川 東京都中央区銀座6-7-19 ミクニ銀座ビル2階
TEL:03-3289-0350

これからは、新パレスホテルのロビーに常設展示していただける作品の制作に取りかかります。
パレスホテルから頂いたテーマは「宮廷の庭」。今春、通い詰めた奈良の又兵衛桜を大画面に描こうと考えています。
日本の顔ともいうべき新パレスホテルで国内外の皆様にご覧いただけるのを楽しみに制作に励んでまいります。
NEW! 名古屋三井ビル新館に鳥羽作品常設展示
新たにオープンした名古屋三井ビルデイング新館ロビーに鳥羽美花作品『遥』が常設展示されました。笹島交差点のかつての繁栄とこれからの新たな発展を願った作品です。
●撮影 老川良一
鳥羽美花出演テレビ番組のお知らせ
BS11「サクセス登竜門」(火曜午後11時)で鳥羽美花をメインゲストに
型染絵画が制作されるまでのプロセス、鳥羽美花のベトナムとの出会いからコンテンポラリー・アート
完成までの道のりが8月、2回にわたって放映されました
為三郎記念館での「鳥羽美花展 黎明への旅」好評のうちに閉幕
名古屋の古川美術館別館「為三郎記念館」で5月から開催されていた『鳥羽美花展 黎明への旅』は無事、
7月3日に閉幕いたしました。期間中、多くの皆様に足を運んでいただき、数寄屋造りの素晴らしい建物のなかで鳥羽美花作品を楽しんでいただくこと
が出来ました。また、期間中の美術講演会および二度のアーテイスト・トークにもたくさんの方にお越しいただきました。ありがとうございました。
今回の展覧会ではベトナムの風景画に加え、3月に薬師寺にご奉納させていただきました『凛 西ノ京より』や『祈りの朝 三笠山より』、さらにはいくつかの新作も展示いたしました。日本の数寄屋造りに大きな作品がなぜか上手く調和し、とても素晴らしい空間が出来上がりました。その展示の模様をお届けします。


<2011年6月25日・薬師寺東塔大修理着工法要にて>

<古川美術館為三郎記念館での鳥羽美花展を終えて>

薬師寺花会式で鳥羽美花作品『凛 西ノ京より』を薬師寺に奉納
3月31日、千年の伝統をほこる薬師寺花会式のおり、薬師寺の春を描いた作品『凛 西の京より』を薬師寺に奉納させていただきました。この作品は、昨年、平城遷都1300年とハノイ建都1000年を記念して薬師寺で開かせていただいた「型染めで紡ぐ悠久の都--奈良・ハノイ『鳥羽美花展』」に出品するため作成したものですが、薬師寺に奉納させていただくことになりましたのは大変に光栄なことであり、作品にとっても幸せなことと思います。
当日は素晴らしい天気にも恵まれ、金堂薬師三尊の御前でとりおこなわれた花会式のおりに作品も展示させていただき、本当にありがたいことでした。
<金堂の前で山田法胤管主さまにご奉納>

「型染めで紡ぐ悠久の都----奈良・ハノイ『鳥羽美花展』」のご報告
>「Sunday Viet Nam News」で紹介されました
「型染めで紡ぐ悠久の都----奈良・ハノイ『鳥羽美花展』」は、平城遷都1300年およびハノイ建都1000年を記念して、2010年10月5日から11月10日まで奈良の薬師寺において、引き続き、12月6日から25日までベトナム、ハノイの文廟およびベトナム国立美術博物館で開催いたしました。
おかげさまで、多くの皆様のご支援とご協力をいただき、成功裡に展覧会を終了することができました。奈良・薬師寺での展覧会では、山田法胤管主さまのご厚意を賜り、本会 場の聚寶館に『凛 西ノ京』や『凪に出会う場所』など19作品が展示され、5万人の方々に訪れていただきました。また、国宝・東院堂に飾らせていただいた『祈りの朝 三笠山より』と『ミーソン--熱』、大講堂に飾らせていただいた『モンスーン』、『かげろうⅠ』や『雨上がり』は数十万人の方々にご覧いただくことができました。
ハノイでは、薬師寺とならぶ世界遺産の『文廟』に『凛 西ノ京』と『ダナンからの出発』が対峙する形で展示され、素晴らしい空間が出来上がりました。ベトナム国立美術博物館では『晨 フエより』をはじめ20数点の作品(二つの会場で29点)を展示、多くのベトナムの方に親しんで頂くことができました。また、ハノイを訪れたフランスやドイツの方がKATAZOME 絵画に強い関心を示されたのも印象的でした。(トピックスへ)
<文廟でのオープニング>

<文廟内の展示模様>
<ベトナム女優レイ・カインさんと(日本大使公邸でのレセプション)>
<展示会場『文廟』の前で>
PICK UP
『 作家と作品について 』 鳥羽 美花
色の存在感

布を染める。作家・鳥羽美花の原点はこの一言につきる。美白の布、それも発色性に すぐれるシルクの生地を染料で彩る。それが彼女の変わらぬ創作行為である。古来、人間は色に神秘性と深い憧憬をいだいてきた。夥しい宝飾品を見るたびに、誰 しも人間のもつ色への欲求の強さをあらためて実感するだろう。とくに糸や布の染色は、色を自由に手中にできるものとして常に大きな関心がはらわれてきた。たとえば紫色のために希少なアクキラ貝類を採取するエネルギーや化学繊維を染めるための研究開発など、人間の色への欲求を満たす努力は綿々として今日がある。地域や歴史をこえて人間が共通してもつこの色への欲求は、また鳥羽美花の根底に流れてやまぬ情熱であり、彼女の作品を特長づける色の存在感はこの色へのこだわりから生まれる。
型染による絵画

染色と描画、この二つを同時に満足させるのは至難である。水に溶かした染料はすぐ さま布や紙に浸透しにじんで拡散し自由にコントロールできないからだ。もちろん絵の具を使用すれば思いのままに措くことができる。が、鳥羽美花の場合は染色のもつ深遠 な色彩の世界を追求する、そして、日本の伝統的な型染に出会い、そこに表現の可能性を見つけることになるのは彼女にとってきわめて自然な流れであったといえる。型染とは、型紙(柿渋で防水加工を施された紙を部分的に切り抜いたもの)の上から粘度の高い糊でふせ、生地に型紙にあけられた形や模様の薄い糊の層をつくる。そして高温で蒸した後、水洗をして糊を流しとるとその形や模様がにじまず際立って着染されたり防染されたりする染色技法である。彼女はこれを幾度も繰りかえし独自の手法も加えて染色による絵画の世界を創出した。それは絵の具で色を少しずつ重ねて完成させてゆく油彩などとは正反対に、綿密な計画のもとに色を切り取ってゆく過酷なプロセスを必要とする。通常、型染はローケツ染とならんで染色工芸の制作に用いられるから、鳥羽美花の作品は絵画的な工芸であると短絡してはならない。あえていえば、型染を駆使した工芸的な絵画なのである。
心象の風景

1994年、はじめてベトナムを訪れたのが作家としての彼女の転換期となった。それま では花などをモチーフにした美麗な作風がすでに在学中(京都市立芸術大学)から評価されてきたが、ベトナムはいままでをいっさい消し去って彼女の作風を一変させた。ベトナムの湿った空気や深い色彩が彼女が求めていた染色の根幹に触れたのだろうか。それほどにベトナムの風土は彼女にとって衝撃的であった。以来、今日まで北はランソンから南のソクチャンまでスケッチの旅がつづく。彼女が対象とする風景、それは空漠たる遺跡や過密する家屋群、深く染まった河川の流れや街路の一隅、静寂も喧騒も、社会も歴史もすべてを一つにしたベトナムの今である。もし誰かが措かれたその風景を探そうとしても失望することになるだろう。なぜなら、それらは彼女の目前で一瞬、静止する風景つまり彼女の感性のファインダーだけがとらえた対象に他ならないからだ。言いかえれば、それは厳然として存りつづけ記録しうるものではなく、彼女の記憶の中にある心象としての風景なのである。彼女の作品は大作ばかりである。6~7mにもひろがる画面はその隅々まで濃密に措かれて圧倒的である。それらの作品の前では、作品そのものが新しい風景となって観る者をその空間へ誘うことになる。絵画もまた一つの風景になる。作家・鳥羽美花のこうした思いや試みもベトナムの風土が育んだにちがいない。
